脂肪吸引後に圧迫し過ぎるとどんな影響があるのか?
2020.07.20 15:14
脂肪吸引後の圧迫固定は、強すぎず弱すぎず、適切な強さで圧迫することが大事です。 手術当日はナースが固定を行いますが、翌日以降はご自身で圧迫固定をしていただく必要があります。慣れていない方がほとんどですし、「これって圧迫し過ぎ?」と不安に感じることも出てくるでしょう。
そこで今回は、脂肪吸引後に圧迫しすぎた場合の影響と対処法、補足として圧迫固定の必要性やおすすめの服装について解説します。
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<この記事でわかること>
1.圧迫固定の必要性
2.圧迫しすぎる(加減が強い)とどうなる?
3.圧迫固定時におすすめの服装
4.そもそも圧迫固定はいつまで必要?
5.適切な圧迫着の選び方
6.まとめ:圧迫固定がきつい・緩い場合はクリニックに相談を
圧迫固定の必要性
まずは、圧迫固定は何のために行う必要があるのか?についてご説明します。
内出血緩和
脂肪吸引で皮下脂肪を取り除いたスペースに血液(手術中・術後の出血)が溜まり、皮膚の表面近くに移動してくる。これが内出血の正体です。
そんな内出血の軽減に有用なのが、止血効果が期待できる圧迫固定です。圧迫固定をすることで血液が溜まり過ぎるのを防ぎ、内出血を最小限に抑えます。
むくみ緩和
皮下脂肪を取り除いたスペースには、出血した血液以外に麻酔液やリンパ液も停滞します。これが体内に残ることで生じるのが、むくみです。そこで圧迫固定によって余ったスペースを圧迫し、体内への水分停滞を防ぎます。
腫れ緩和
腫れは、手術によるダメージで患部が炎症を起こしているのが原因です。適切な圧迫固定で、物理的に腫れの症状を抑えることができます。
痛み緩和
脂肪吸引の術後1週間ほどは痛みが生じますが、圧迫固定によって動きを抑制することで多少の痛みを緩和できます。
圧迫しすぎる(加減が強い)とどうなる?
圧迫固定は、強すぎても弱すぎてもダメで、適切な強さでなければいけません。では、もし圧迫しすぎるとどうなってしまうのでしょうか。主なトラブルは以下の3点です。
痒みが生じる
圧迫固定の加減が強いと、皮膚との摩擦やかぶれにより痒みが出ることがあります。そのまま圧迫しすぎると水ぶくれができてしまう可能性もありますので、そうなる前に一度緩めるか、クリニックに相談しましょう。
色素沈着が起こる
皮膚と圧迫固定の摩擦や、水ぶくれができてかいてしまった場合に色素沈着ができることがあります。
この場合も一度クリニックにご相談ください。当院の場合、塗布剤をお渡ししています。
術後の回復を遅くする
手術後は体の水分代謝が落ちており、回復を早めるためには血行促進が欠かせません。しかし、圧迫しすぎるとその部分の血流を妨げ、血行不良を起こしてしまいます。
そのため、圧迫固定がきつすぎると、術後の回復を遅らせてしまう可能性もゼロではありません。
当院では、万が一、圧迫固定について不安なことがあればご相談いただける環境を整えております。圧迫固定がきつい、または緩んできた場合、圧迫固定の巻き直しを行なっております。追加費用はかかりません。
圧迫固定時におすすめの服装
続いて、圧迫固定をしている時期におすすめの服装をご紹介します。
顔の場合
顔の脂肪吸引では、術後はテーピングやフェイスバンドで患部を固定します。
手術当日は圧迫固定をしたまま帰宅していただきますので、つばの広い帽子やストール、マスクなどで頬・顎を隠す工夫が必要です。翌日以降の服装は問いませんが、顔が少し晴れるので、マスクで隠すのが自然かと思います。
二の腕の場合
二の腕の圧迫固定には、手術当日は包帯を、翌日以降はボレロのような形のサポーターを使うことが多いです。服装は、圧迫着が隠れて着替えがしやすい、ゆったりしたものやカーディガンがお勧めです。
お腹の場合
手術当日は、腹巻やスポンジが下についたボディスーツで患部を圧迫します。翌日からは一日中着用する必要はありませんが、空いた時間に着用するのがお勧めです。
服装は、お腹周りに締め付けのない、ゆったりめのものを選びましょう。
太ももの場合
太ももの脂肪吸引では、ガードルを着用します。手術直後はガードルの下にパットや包帯をして圧迫固定をします。
翌日以降は、ガードルやストッキングで患部を固定します。多少タイトな服装でも問題ありませんが、ロングスカートやワイドパンツがお勧めです。
そもそも圧迫固定はいつまで必要?
ダウンタイム症状の緩和が見込める、圧迫固定。どのくらいの期間着けていればいいのでしょうか。ここでは、当院の場合の圧迫固定の期間をご紹介します。
顔の圧迫固定の期間
顔の脂肪吸引の場合、術後3日は圧迫固定をしていただきます。
翌日以降は夜間のみの着用でも構いません。仕事や買い物などの外出時は着けられないと思うので、就寝時や自宅にいる夜間に着用ください。
二の腕の圧迫固定の期間
二の腕の脂肪吸引の場合、術後1週間は圧迫固定をお願いしておりますが、1日中着用する必要はありません。
また、必須ではありませんが、むくみの症状が治まる術後2週間頃まではできる範囲で圧迫を続けた方が楽になります。
お腹の圧迫固定の期間
お腹の脂肪吸引も同様に、術後1週間までの着用をお願いしておりますが、他のクリニックでは1ヶ月の着用を推奨するところもあります。
また、お腹は姿勢の悪さやストッキング・洋服によってお腹に線が入りやすい部位です。ダウンタイム中に線が入ると、消えにくく可能性がありますので、お腹を圧迫する洋服は避けてください。
太ももの圧迫固定の期間
太ももの場合も、基本は術後1週間までの着用で問題ありませんが、むくみを感じやすい場合は継続して着けていただくと楽になるでしょう。
もちろん他の部位と同様、一日中ずっと圧迫固定をしている必要はなく、家にいる時だけでも問題ありません。
また、クリニックによっては術後1~3ヶ月の着用を推奨しているところもありますが、長期間着用できる方はさほど多くないと思います。当院は基本的に術後1週間までで、その後は無理につけておく必要はありません。
適切な圧迫着の選び方
圧迫着は美容クリニックでレンタルまたは購入できるケースと、患者様自身で用意していただくケースがあります。
前者の場合はクリニックで用意されたものを着用するので迷うことはありませんが、患者様自身で用意していただく場合には、一体どんなものを選べば良いのか分からなくなってしまいますよね。
ご自身で用意する必要がある方は、以下のポイントを押さえた上で圧迫着を選んでみてください。
チェックポイント1:圧力
圧迫固定時、圧力にムラが生じると、弱い部分にむくみや腫れが集中してしまいます。そのため、脂肪吸引を専門とする当院としては、各パーツにかかる圧力が統一されているものが望ましいと考えています。
たとえば市販で販売されている着圧タイツやサポーターなどの場合、部位によって圧力が異なる作り(足首付近は圧力強め、太ももは弱め)のものが多く、一定の箇所にむくみが集まってしまう可能性があります。不要なむくみを出さないためにも、ダウンタイム初期は正式な圧迫着をご着用ください。
チェックポイント2:裁縫方法
圧迫着を脱いだ時、生地の縫い目が跡として残ってしまうことがあります。
あまりにもその線が濃いと、治りが遅くなってしまいますので、「このまま線が残ったらどうしよう……」とダウンタイム中に不安を抱えないためにも、なるべく線がつきにくい商品を選びましょう。
たとえば、当院が採用している圧迫着は縫い目が外側に設計されており、線がつきにくい作りになっています。
また、正しい姿勢を心がけることも重要です。特にお腹の脂肪吸引後に着けるボディスーツは、猫背になっていると線が入りやすくなってしまいます。
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まとめ:圧迫固定がきつい・緩い場合はクリニックに相談を
脂肪吸引後の圧迫固定の必要性や、圧迫のしすぎによる体への影響についてお伝えしました。
圧迫固定には、むくみや内出血など、ダウンタイム症状を緩和するという重要な役割があります。圧迫しすぎると、痒みや色素沈着、術後の回復を遅らせるといったトラブルや、皮膚のたるみを引き起こす可能性もあります。ですので、圧迫固定は適切な強さで圧迫することが大切です。
もし脂肪吸引後に圧迫固定がきつい、緩いと感じたら、まずは施術を受けたクリニックに相談しましょう。圧迫着が合わないと感じた時は買い直すのも一つの手です。
この記事の監修医師
モッズクリニック 院長長野 寛史
患者様一人ひとりに磨き上げた技術と信頼を。
経歴
- 1982年岩手県生まれ
- 2006年東京慈恵会医科大学医学部 卒業
亀田総合病院 入職 - 2008年東京慈恵会医科大学 入職
- 2012年THE CLINIC 入職
- 2013年THE CLINI 福岡院 就任
- 2015年THE CLINIC 東京院 就任
- 2016年モッズクリニック 開院
所属学会・資格
- 日本美容外科学会会員
- コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
- VASER Lipo認定医
- VASER 4D Sculpt(ベイザー4D彫刻)認定医