<この記事でわかること>
1. 女性化乳房の症状
2. 女性化乳房の原因
3. 女性化乳房の種類と治療法
4. 女性化乳房の検査と治療の流れ
5. 女性化乳房の経過
6. 女性化乳房はダイエットで治せる?治らない?
7. 女性化乳房の治療費用と保険適用の有無
8. よくある質問
9. まとめ
女性化乳房の症状
胸の大きさ、膨らみ方には個人差があり、胸の一部だけが盛り上がる方もいれば、ブラジャーが必要になるほどまで大きく膨らむ方もいます。
また、両方の胸が同じように膨らむとは限らず、片側の乳房だけが膨らむケースもあり、症状に大きな個人差があるのも特徴です。
女性化乳房の原因
女性化乳房は、乳腺の肥大化や脂肪の蓄積によって生じます。詳しい要因を以下にまとめました。
男性の乳腺の肥大化
乳腺が肥大化する要因は、ホルモンバランスの乱れです。思春期や更年期にホルモンバランスが乱れ、一時的に女性ホルモンが増えると胸が膨らむことがあります。
また、薬の副作用によって胸が膨らんでしまうことも。高血圧の治療薬や育毛薬の中には女性ホルモンと似た働きをする成分を含むものがあり、副作用によって女性化乳房を発症するケースがあります。
その他、遺伝で胸が膨らんでしまうケースや肝機能の低下、原因不明のケースもあります。
男性の胸の脂肪の蓄積
乳腺の肥大化ともうひとつの原因が、胸の脂肪の蓄積です。
現在肥満の方だけでなく、過去に肥満体型で痩せた方もいます。痩せたものの、胸のお肉だけは落ちなかったということが考えられます。
女性化乳房の種類と治療法
女性化乳房は、胸の膨らみの原因によって治療法が異なります。ここで、女性化乳房の3つのタイプをご紹介しましょう。
真性女性化乳房
真性女性化乳房は、乳腺の肥大化によって胸が膨らんでしまう症状です。人によっては痛みを伴ったり、しこりが生じたりすることもあります。
なお、治療では肥大化した乳腺を取り除くことで胸を平坦にしていきます。胸の目立ちにくい箇所を切開し、肥大した乳腺を摘出。傷口を縫合すれば手術終了です。
偽性女性化乳房
偽性女性化乳房は、皮下脂肪の蓄積によって胸が膨らんでしまう症状です。脂肪の蓄積が原因ですから、胸を脂肪吸引して膨らみを解消していきます。
施術は、脇の下と乳輪の下を数ミリ切開して余分な脂肪を除去し、傷口を縫合して終了です。
以下で実際の治療例をご覧いただきましょう。
エコー検査の結果、脂肪の蓄積を確認。ベイザー脂肪吸引で余分な脂肪を除去し、男性らしい胸元になりました。
■施術:ベイザー脂肪吸引
施術の説明: ベイザー波という超音波により脂肪組織を遊離させ、その後刃のない「カニューレ」という専用の器具で脂肪細胞を吸引除去する。吸引後の線維組織には元に戻ろうとする作用が働き、皮膚はキレイに収縮し引き締まる。副作用(リスク): 術後には内出血や浮腫み、硬縮(皮膚のツッパリ感)、疼痛などが出現します。その他にも何か経過で不安を感じた場合はすぐにご連絡ください。
施術の価格: 価格(モニター価格)●基本セット(消耗品・麻酔・内服薬)0円 ●偽性女性化乳房(脂肪吸引法のみ)418,000円 ●真性女性化乳房(乳腺切除のみ)748,000円 ●混合性女性化乳房(脂肪吸引法+乳腺切除)1,078,000円
混合性女性化乳房
乳腺の肥大化と皮下脂肪の蓄積、いずれにも原因があるのが「混合性女性化乳房」です。当院の場合、このタイプの患者様が最も多く来院されます。
治療法としては、乳腺摘出と脂肪吸引、どちらも行います。当院では脂肪吸引で余分な脂肪を除去し、乳腺を摘出。脂肪吸引で作った傷を少し広げ、そこから乳腺を摘出していきます。
以下の写真が「混合性女性化乳房」の治療例です。乳腺と脂肪をガッツリ取ることで、平らな胸部に仕上がりました。
施術の説明:ベイザー波という超音波により脂肪組織を遊離させ、その後刃のない「カニューレ」という専用の器具で脂肪細胞を吸引除去する。吸引後の線維組織には元に戻ろうとする作用が働き、皮膚はキレイに収縮し引き締まる。副作用(リスク): 術後には内出血や浮腫み、硬縮(皮膚のツッパリ感)、疼痛などが出現します。その他にも何か経過で不安を感じた場合はすぐにご連絡ください。
施術の価格: 価格(モニター価格)●基本セット(消耗品・麻酔・内服薬)0円 ●偽性女性化乳房(脂肪吸引法のみ)418,000円 ●真性女性化乳房(乳腺切除のみ)748,000円 ●混合性女性化乳房(脂肪吸引法+乳腺切除)1,078,000円
女性化乳房の検査と治療の流れ
この章では、女性化乳房の検査と治療の流れを見ていきましょう。あくまでも一例ですが、ご自身が施術を受ける際の参考にしてみてください。
写真撮影
まずは、術前の様子を写真に収めておきます。カルテ用に保存したり、術後との違いを確認したりするのが目的です。
エコー検査
女性化乳房のタイプを知るため、術前に必ず検査をします。検査方法はクリニックによって様々ですが、エコー検査やマンモグラフィが一般的です。
施術開始
検査によってどのタイプなのかを確認し、それぞれに応じた治療を行ないます。
女性化乳房の経過
女性化乳房の施術後は、以下の流れで処置・検診を行います。
手術翌日
乳腺摘出の場合、手術翌日にドレーンを抜去します。脂肪吸引のみの場合、ダウンタイムが短いため、手術翌日からの職場復帰も十分に可能です。
術後2~3日
真性女性化乳房または混合性女性化乳房で乳腺を摘出した場合、術後2~3日は安静に過ごしていただき、診察とガーゼの交換のためにご来院いただきます。
術後1週間
傷口の抜糸と診察を行ない、サポーターの固定を外します。むくみの症状が強く出る頃ですが、時間の経過とともに落ち着いていきます。
術後1ヶ月
1ヶ月検診を行ないます。人によっては拘縮が残っている状態ですが、この時点でかなりスッキリしていることを実感いただけます。
術後3〜6ヶ月
3ヶ月検診を行います。ほとんど違和感がなくなり、完成となります。
女性化乳房はダイエットで治せる?治らない?
偽性女性化乳房の場合、ダイエットで脂肪を落とせば改善できると思われる方も多いでしょう。確かに、痩せて胸の脂肪が落ちる可能性はありますが、同時に他部位の脂肪も落ちてしまいます。要するに、胸の脂肪をピンポイントで落とすことはできません。
また、どんなに頑張っても痩せない部分があるのが、ダイエットの難しいところ。「ダイエットをした結果、胸の脂肪だけ残ってしまい、脂肪吸引を決意した」と仰る患者様も少なくありません。
ここで「ダイエットが無理なら筋トレはどうなのか?」とお考えになられた方も多いのではないでしょうか。結論から申し上げますと、ダイエット同様、筋トレのみでは治らない可能性が高いです。
大胸筋を厚くするトレーニングなどもありますが、筋トレだけでは根本的な解決には至りません。胸を女性的に見せている根本的な原因は、その上に乗った脂肪や乳腺組織ですから、これらを取り除かない限り、胸の膨らみ・大きさを改善することはできないわけです。
女性化乳房の治療費用と保険適用の有無
女性化乳房の治療をするにあたって気になるのが、費用面ではないでしょうか。ここで、施術の費用と保険適用の有無について解説していきます。
費用の相場
女性化乳房の治療を取り扱うクリニック5院の施術費用を調査し、以下にまとめました(当院調べ)。
- 真性女性化乳房:550,000~926,000円
- 偽性女性化乳房:220,000~501,600円
- 混合性女性化乳房:400,000~1,166,000円
上記の表を見ると、費用に大きな開きがあることが分かります。
施術の精度や技術、アフターケアの充実度にも影響することが考えられるので、安さだけで判断せず、実際にカウンセリングを受けてみましょう。
保険診療? 自由診療?
女性化乳房で保険適用となるのは、真性女性化乳房で病的な乳腺の肥大が見られるケースのみです。実はこのケースはさほど多くなく、大半の方が自由診療となります。
保険診療の治療は自由診療と比べて当然安い費用で受けられますが、ひとつ知っておいていただきたいことがあります。それは「体にとって有害なものを除去する」という考えのもとで行われるため、傷跡の位置や仕上がりの美しさは二の次であるということ。
自由診療で受ける男性が多いのは、保険診療適応のケースが少ないだけでなく、美容クリニックの脂肪吸引経験の豊富さにも関係していると考えられます。
よくある質問
女性化乳房に関して、実際にお寄せいただいたご質問とその回答をまとめました。
女性化乳房のタイプの見分け方はありますか?
このご質問をよくいただきますが、女性化乳房のタイプをご自身で見分けることはできません。正確に診断するには、触診とエコー検査を行う必要があります。
入院は必要ですか?
女性化乳房の場合、胸が膨らんでいる原因によって手術内容が異なりますが、当院はどの手術でも入院不要です。
手術時間は1〜3時間ほど(タイプによって変動あり)で、麻酔から目覚めて落ち着いたらご帰宅いただけます。
未成年(高校生)でも女性化乳房の手術はできますか?
思春期の女性化乳房は自然に改善することがありますので、高校卒業までは一旦様子を見ていただいても良いかもしれません。
とは言え、なかには「どうしても気になる」と仰って手術をされる方もいらっしゃいます。その場合は、保護者の方の同意書があれば手術可能です。
女性化乳房の手術をして逆に胸がへこんだりしませんか?
確かに「女性化乳房を治すこと」だけに着目して乳腺と脂肪をごっそり除去してしまうと、へこんだ状態になってしまいます。
そうならないためにも、当院では女性化乳房を治した上で、カッコ良い胸を作ることにこだわっています。手術によって胸がへこむことはありませんので、ご安心ください。
術後いつから水着を着れますか?
術後2週間前後を目安にお考えください(内出血が消失する時期のため)。
いつから仕事に行けますか?
乳腺切除を伴うか否かによって、術後の安静期間が異なります。
乳腺切除を伴う「真性女性化乳房」または「混合性女性化乳房」の場合は3日間の安静をお願いしていますが、脂肪吸引のみの「偽性女性化乳房」の場合は、手術翌日からでも復帰可能です。
痛みに弱く、手術時の痛みが心配です
麻酔がかかった状態で手術を行いますので、手術中に痛みを感じることはありません。術後は筋肉痛に近い痛みを感じますので、クリニックよりお渡しする鎮痛剤を服用してください。
いずれにせよ、動けないほど痛むことはありませんのでご安心ください。
まとめ
女性化乳房の症状とその原因、施術の流れ、費用の相場についてお話ししました。女性化乳房の施術は難易度が高く、それだけに高度な技術力と経験を併せ持つ医師を選ぶことが重要になってきます。
また、女性化乳房だけに限らず、美容外科で施術を受ける際は、自分に合った信頼できるドクターを選ぶことが重要です。そのためには、できる限りの情報を集めて実際にクリニックに足を運んでみてください。
当院でも女性化乳房の施術を行なっておりますので、是非お気軽にご来院ください。まずはエコーで胸の状態を確認し、ベストな方法をお話しさせていただきます。