母の日常　麻酔のコツ（2024年5月16日）

こんにちは、脂肪吸引の母、こと、モッズクリニックの山田　有季です。

本日は母の日常を。

美容外科のドクター友達と話をしていて、麻酔のコツってなんかあるん？と聞かれることがあります。

その友人のクリニックでは鼻の手術をたくさんやっているので、

全身麻酔ですることも多いようです。

確かに、鼻の手術で肋軟骨を使う手術のときは全身麻酔をしますよね。

耳の軟骨を使うときは静脈麻酔でいい気がしますが。

全身麻酔は気道管理が確実なので、

普通に麻酔科医が麻酔をすれば簡単だと思います。（この簡単は語弊があるかもしれないけど…）

普通の病院に勤めている麻酔科医は基本全身麻酔を毎日かけていますので、

全身麻酔の方が慣れていて、簡単だと思います。

普通の病院と美容外科での全身麻酔が違うのは、術後。

普通の病院では全身麻酔の手術を受けた後は基本的に入院です。（日帰りをする手術もありますが少数。）

美容外科では基本日帰り、当日自宅あるいは近くのホテルです。

つまり、医療者の目から離れるわけです。

病院ではモニター、器材、いろんなものがそろっていますので、

万が一何かが起こった場合にも対処できます。

これが日帰りで帰ってしまうと、自宅でなにかがあったとしても、何もわかりません。

気道のトラブルがもし起きてしまったら…

とか思うとちょっと怖いな、と思います。

じゃあどうすればいいのか、と思われるかもしれませんが、

これが麻酔のコツにもつながると思っているのですが…

適切な、適量の麻酔を心掛ける。

これに尽きる気がします。

全身麻酔では、麻酔が深い、強い状態でも、血圧や脈拍が変わらない限りわかりません。

つまり、痛みが3ぐらいしかないのに、痛みをとるのに5ぐらいの痛み止めを使っても問題ないということです。

別にこれでもいいんですが、

過剰な痛み止めや過剰な鎮静をしてしまうと、手術中は問題なくても

術後目が覚めない、覚めてもすっきりしない、眠たい、気持ち悪い、などが起きてしまうんです。

そうするとなかなか家に帰れない。

じゃあ痛み3ぐらいで、痛み止め2ぐらいにしておけばいいんじゃないか、と思われるかもしれませんが、

これだと手術中患者さんには痛みがある状態。

全身麻酔だと血圧が上がったり、体が動いたり（全身麻酔でも体は動くことはあります）、

と患者さんにストレスがかかった状態になります。

これはこれで良くない。

ということになると、結局痛み3に対して、痛み止め3の状態が一番いいわけです。

上手な麻酔科医はこの塩梅がうまいと思います。

なので、手術が終わった後、目が覚めるのも早い。

痛くもないし、眠くもない。

目が覚めてほしいタイミングで目が覚め、

終りましたよ～と声をかけると、「もう終わったんですか？全然痛くないです」と答えてくれる。

これが理想です（私のですが）。

こういう麻酔を目指しています。

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