いわゆる「エラ」と呼ばれているのは、耳の下のほうの、顎の付け根の角ばった骨の部分です。この部分がガッシリしていると顔が大きく見えて、どちらかというと男性的なイメージになります。ダイエットに成功して体はほっそりしていても、どうしても顔周りがスッキリしないと悩んでいる方も多いでしょう。
エラを細くしてスッキリとした顔にする方法はいくつかあります。その方法の一つとして「顔の脂肪吸引」があります。
この記事では、エラを細くする脂肪吸引の費用や、向き不向きについてご紹介します。脂肪吸引以外の方法もご紹介していますので、是非、この記事を読んで、どの方法がご自身に合っているのかチェックしてみてくださいね。
この記事でわかること
脂肪吸引でエラをシャープにすることはできる?
上で触れたように、脂肪吸引によってエラをシャープに、スッキリさせることは可能です。ただし、実際に脂肪吸引する箇所はエラの部分ではなく、頬や顎の部分となります。
顔の脂肪吸引の効果とメリット
いわゆる「エラ」と呼ばれているのは、耳の下のほうにある、顎の付け根の角ばった骨、「下顎角」という部分を言います。顔を大きく見せている原因がエラではなくその周辺の頬や顎の脂肪である場合は、脂肪吸引することで顔を細くしてエラがシャープになった印象にすることができます。
また、他の部位と同じく、脂肪吸引では脂肪細胞の数自体を減らすことになるので、リバウンドしづらく、暴飲暴食など過度な体重の増加がない限りは半永久的に効果を持続することができます。
顔の脂肪吸引の注意点
顔は特に、周囲の人の目が気になる箇所であるため、非常に繊細な施術が必要となります。顔の脂肪を全て吸引してしまうと表面がでこぼこしたり、頬がくぼんで老けた印象になってしまいます。
顔の脂肪吸引をする場合は、症例が多く、経験豊富な医師のいるクリニックを選ぶことが重要です。
顔の脂肪吸引の方法や手順
顔の脂肪吸引では、基本的に耳や顎の下に小さな穴を開け、カニューレという管を挿入して脂肪を吸引します。手術の痕が残りにくいように、体で使うものよりも細いカニューレを使用するのが普通です。痕は蚊に刺されたような小さな傷がつく程度で、それほど気になるものではありません。
手術の流れ
・カウンセリング
手術の方法や、脂肪吸引のメリット・デメリット、ダウンタイムについての説明を受けます。顔のどんなところが気になるか、どのような仕上がりを希望するかなど、手術に対しての要望を細かく伝え、お互いに確認し、不安な点やわからないことがあれば、この場で解消しておきましょう。
・問診、検査
カウンセリングの前に簡単な問診表を記入し、それに基づいてカウンセリングが進む場合もあります。問診では、これまでに大きな病歴はあるか、服用中の薬があるか、アレルギーの有無などを確認します。手術後の順調な回復のための質問ですので、覚えている限り正確に伝えるようにしましょう。血液検査など、簡単な検査がある場合もあります。
・脂肪吸引箇所のマーキング
医師によるデザインに基づいて、脂肪吸引箇所のマーキングを行います。目の前に鏡を置き、改めて説明しながらマーキングしてくれる医師が多いです。
・消毒、麻酔
首周りや顔を念入りに消毒し、麻酔を行います。顔の脂肪吸引では、点滴による静脈麻酔、笑気麻酔、局部麻酔と、最後に直接顔の内部に注入します。クリニックによって静脈麻酔には別途料金がかかる場合もあります。
・脂肪吸引
デザインに基づいて、実際に脂肪を吸引していきます。最後に傷口を縫い合わせ、消毒液を拭き取れば手術終了です。手術は20~40分程度で終わります。
・フェイスバンド装着
腫れや内出血を少なくするためにフェイスバンドで固定します。帰宅するときは、帽子とマスクを着用すればそれほど目立ちません。
手術後には、改めてカウンセラーや医師からアフターケアについて説明を受け、鎮痛剤や抗生剤、かゆみ止めの薬を貰って全てが終了となります。
術後すぐは、麻酔の効果でぼんやりしますが、1~2時間程度、長くても半日で効果がなくなります。麻酔の効果が切れるとズキズキとした筋肉痛のような鈍痛を感じますが、鎮痛剤を飲むほどの痛みではないことがほとんどです。
ダウンタイムや手術後の注意点
顔の脂肪吸引のダウンタイムは1~2週間程度が目安です。以下には、手術当日からダウンタイムの経過をまとめています。
手術当日
人によっては、手術後すぐに効果を実感できる場合もあります。組織が癒着して皮膚がでこぼこになってしまうのを防ぐため、食事とシャワー以外は24時間フェイスバンドを付けて過ごします。
手術当日から首から下のみシャワーは可能ですが、傷口を濡らしてはいけません。できれば術後3日までは洗髪や洗顔は控えましょう。血行がよくなるとむくみが出る場合もあるので注意しましょう。
3日後(検診)
術後3日経つと、やや腫れがひいてほっそりした印象になります。経過を確認し、医師からの許可が出ればフェイスバンドを取ることができます。ただし、術後1ヶ月程度はできる限り装着するようにすることで回復が早くなります。
1週間後(抜糸・検診)
術後1週間経つと、腫れやむくみが治まり、かなり効果を実感できるでしょう。傷口の様子を確認し、問題なければ抜糸となります。この時点で痛みはほとんどなくなりますが、つまんだり押したりするとまだ痛みを感じます。癒着を防ぐため、抜糸をしたらマッサージを開始します。痛みがあるため、堪えられる範囲で積極的に行い、最低1ヶ月程度はマッサージを続けるようにします。
1ヶ月後
この時点で70%ほどの仕上がりとなります。回復が早くなるので、術後1ヶ月はできる限りフェイスバンドを装着して過ごしましょう。まだしびれや皮膚表面の感覚麻痺が残っていることがありますが、術後3~6ヶ月でなくなっていきます。
3ヶ月後
この時点で90%の仕上がりとなります。しびれや皮膚表面の感覚麻痺が残っている場合もありますが、気になることはほとんどなくなります。
エラの脂肪吸引費用
エラを細くするための頬と下顎の脂肪吸引にかかる費用はクリニックによってさまざまです。10院のクリニックの価格を調べたところ、最安値では17万円、最高値では84万円となっていました。(2018年4月現在)。10院を平均すると約42万円となります。
この金額は、吸引する脂肪の量やクリニックによっても変わるため、実際の費用はカウンセリングを受けないとわかりません。また、頬と顎の料金を別に設定しているクリニックが多かったため、同時に手術を受けることで費用が安くなる可能性もあります。
なかには、美容整形や脂肪吸引手術のモニターを募集しているクリニックもあります。モニターとして施術を受けると、実際に必要な費用よりも安く受けられることもあるので、うまく利用すると良いでしょう。
エラの脂肪吸引が向いている人、向いてない人
ガッシリしたエラを細くするための方法として、顔の脂肪吸引手術を受ける方は多いです。しかし、顔の脂肪吸引には向き不向きがあり、手術を受けてもそれほど効果が得られなかったという方もいます。ここでは、顔の脂肪吸引が向いている人と向いていない人の特徴をご紹介します。
向いている人
顔が大きく見える原因が、頬や顎についてしまった脂肪である場合は、顔の脂肪吸引で大きな効果が得られるでしょう。
下を向いて、顎の部分の脂肪をつまんでみてください。つまめた脂肪が1cm以上ある場合は、顎の脂肪吸引に効果が見込めます。
頬の脂肪は、頬骨、下顎(オトガイ)、顎の付け根の角ばった骨(下顎角)の三点を結んだ内側から吸引します。この三点よりも頬が膨らんでいる場合は脂肪吸引することができます。頬の丸みが減ってスッキリし、ほっそりとした印象になります。
向いていない人
顔は元々脂肪が少ない部分です。必要以上の脂肪を取り除いてしまうと、頬がこけたり、くぼんで老けた印象になってしまします。取り除いた脂肪は元に戻すことはできませんので、取り過ぎた場合は別の手術が必要になります。
下を向いても顎の脂肪が1cm以上つまめない方や、頬骨・オトガイ・下顎角の内側に脂肪が少なく真っ直ぐな方は、効果が表れにくく、顔の脂肪吸引には向いていません。
エラが張って顔が大きく見える原因が脂肪ではなく、骨格の問題である場合は顔の脂肪吸引をしてもそれほど効果が得られないでしょう。
脂肪吸引以外にエラを細くする方法と適応
エラが張って顔が大きく見えてしまう原因が脂肪である場合は、頬や顎の脂肪吸引だけでも十分フェイスラインがスッキリし、小顔にすることができます。しかし、原因が脂肪ではない場合は、脂肪吸引をしてもそれほどの効果が得られないこともあります。また、脂肪が原因であっても、皮膚を切開するのに抵抗があるなど、なかなか脂肪吸引に踏み込めないという方もいるでしょう。
ここでは、脂肪吸引以外にエラを細くする方法とそれぞれの特徴をご紹介します。
脂肪が原因で、切開をしたくない場合
頬や下顎の脂肪が原因でエラが張った印象になっているものの、メスを使う大掛かりな手術に抵抗がある方は、こちらの方法がおすすめです。
脂肪吸引のように、ダイレクトに脂肪を除去するわけではありませんので、即効性はありませんが、続けて行うことで確実に効果を得ることができます。脂肪吸引手術よりも費用が少ないというのもメリットの一つで、手術時間が短くダウンタイムもほとんどないことから、プチ整形の一つとして手軽にできるのが人気です。
脂肪融解注射
脂肪溶解注射とは、薬剤を直接脂肪に注入して、脂肪細胞を破壊、溶解させる方法です。溶解した脂肪は、老廃物として血液やリンパに乗って排出されます。施術後に少し腫れやむくみが出ることがありますが、ほとんどダウンタイムのない施術として人気です。
近年では、植物由来の「BNLS」や「BNLSneo」、「輪郭注射」を使用するのが主流で、腫れるなどの症状がありません。一回の注射で効果を感じる方もいらっしゃいますが、続けて何回か注射を打つことで更なる効果が期待できます。
レーザー・超音波
レーザーや超音波を脂肪に照射して脂肪細胞を破壊、溶解させる方法です。レーザーでは「スマートリポ」、超音波では「ウルトラアクセント」などが有名です。これらは脂肪吸引とともに使用されることが多いですが、単体でも十分脂肪を溶解させる効果があります。
ウルトラアクセントは、血管や神経など脂肪以外の組織への影響が少なく、効率的に脂肪細胞を破壊することができます。脂肪細胞は代謝によって排出されます。切開の必要がなく、ダウンタイムが少ないというメリットがあります。一回の治療では効果が得られない方も多いため、継続して治療を受ける必要があります。
スマートリポは脂肪溶解レーザーとも言われています。細くしたい部分にカニューレを挿入し、脂肪細胞に直接レーザーを照射します。切開が必要になりますが、1ミリ以下の細いカニューレを使用するため、傷跡は目立ちません。腫れや内出血が軽度で済むため、術後すぐに普段どおりに生活ができるようになります。
筋肉が原因の場合
エラが張っているように見える場合、咬筋という筋肉が必要以上に発達していることが原因であることがあります。奥歯を噛み締めたときに耳の下がボコっと膨らむ場合は、咬筋が発達しすぎている可能性があります。
咬筋切除
発達した咬筋の一部を手術で切除する方法です。手術は全身麻酔で行われ、口の中を切開して物理的に咬筋の量を減らします。手術直後は強い腫れや知覚麻痺がありますが、術後2週間後から徐々に軽減し、1ヵ月後には普段どおりの生活が送れるようになります。
エラボトックス
エラボトックスとは、発達した咬筋に直接ボツリヌストキシンを注射することで、筋肉を萎縮させるものです。「ボツリヌス菌注射」「ボツリヌストキシン注射」とも呼ばれています。
注射のみの施術であるため、皮膚を切開することがなく、痛みや腫れもほとんどありません。実際に効果が表れ始めるのは施術から1ヶ月ほど経ったあたりです。1回だけでは、半年~1年ほどで効果がなくなってしまうので、続けて打つ必要があります。
骨格が原因の場合
エラ切り、骨削り
エラが張っている原因が、下顎の骨が大きかったり、下顎角が横に出っ張っているなど骨格にある場合の方法が「エラ切り、骨削り」です。骨の厚みを減らすために骨を削ったり、必要に応じて切除してエラを細くする美容整形手術です。
口の中から施術を行うのが一般的で、この場合は傷跡が目立ちません。手術は全身麻酔で行い、術後1~2週間で外から見た腫れはひいていきますが、口を大きく開いたり食事などは難しくなります。ダウンタイムの目安は2週間~1ヶ月で、入院せずにできる手術です。
まとめ
エラをスッキリさせるための、頬や下顎の脂肪吸引について、費用や向いている人・いない人の特徴、脂肪吸引以外のエラを細くする方法をご紹介しました。
最後にもう一度、顔の脂肪吸引についてのおさらいをしておきましょう。
<顔の脂肪吸引おさらい>
- エラの原因が脂肪の場合、脂肪吸引は効果がある
- エラの原因が骨格や筋肉の場合、効果は期待できない
- 顔の脂肪吸引の費用は、クリニックによって17~84万円、平均は約42万円
- 顔の脂肪吸引が向いている人は、下を向いて1cm以上の脂肪がつまめる人・頬が骨より膨らんでいる人
<脂肪吸引以外の方法>
- 脂肪融解注射
- レーザー、超音波
- 咬筋切除
- エラ切り、骨削り
- エラボトックス注射
顔の脂肪吸引は、術後すぐにも効果を実感する方がいるほど、即効性のある方法です。傷跡も目立たず、ダウンタイムも1~2週間と短めで、効果は過度に太らない限りは半永久的に続きます。
繊細な部位であるため、比較的費用は高額なクリニックが多いですが、モニターなどを利用することで費用を抑えることができます。
しかしながら、顔は一番最初に人に見られる場所ですので、コンプレックスを抱えている方は多少の費用を払っても得られる効果は高いといえます。
この記事でご紹介したとおり、エラを細くするにもさまざまな方法があります。しっかりと情報を集めて、是非ご自身に合う方法を見つけてくださいね。