毎日少しずつ頑張ることが必要なダイエットと違い、脂肪吸引は数時間で脂肪は取れるものの術後にダウンタイム期間があります。
結果を最も左右されるのはこのダウンタイムをどう乗り越えるかという点と、美容整形のクリニックを探す際にどこが信頼できるクリニックかを見極める点が重要になってきます。
ここでは脂肪吸引がどのような施術であるか、なるべく失敗しない施術を受けるにはどのような点に気をつけるべきかをご紹介します。
この記事でわかること
1.脂肪吸引とは
脂肪吸引とはどのような施術で、どのような人にオススメなのでしょう。ここでは脂肪吸引について、分かりやすく解説していきます。
1-1.脂肪吸引とは
ジムのトレーニングで汗を流したり、食事制限をしたりと、一般的な減量やダイエットと違い、脂肪吸引は外科手術です。
施術方法としては、患部に数か所、切開して穴をあけ、カニューレと呼ばれる細い管を挿入し、脂肪組織を吸引して除去します。
また、通常の脂肪吸引では、1か所のみ穴を開けて施術しますが、これでは脂肪の取り残しや皮膚表面のデコボコが生じてしまうため、「crisscross法」という吸引方法も誕生しました。
crisscross法はひじや脇など、日頃あまり人目に付かない部位を数か所程度切開してカニューレを挿入し、脂肪組織を吸引します。
1-2.どんな人にオススメか
脂肪吸引の手術を受ければ一時的には確実に痩せますが、永久にスタイルを維持できる訳ではありません。ではどのような人に、向いているのでしょうか。
1-2-1.部分的に痩せたいと思っている方
脂肪吸引は、自分で脂肪燃焼により減らすことの難しい部位の脂肪を、外科手術により除去する施術です。全身にかけてダイエットをしたい、というのではなく、気にかかる部位の脂肪だけを落としたい、あるいは今より少しだけスリムになりたいと願っている方に向いています。
1-2-2.日頃から体重管理ができる方
脂肪吸引の施術を受ければ、気になる部位の脂肪を除去して一時的にはスリムなスタイルを手に入れることが可能です。ただ、その痩身効果は永久に維持できる訳ではなく、日常における自己管理が不可欠です。脂肪吸引は一般的なダイエットに比べて、リバウンドが少ない施術と言われていますが、それは日頃から体重コントロールができていてこその話です。
2.脂肪吸引のダイエット効果
自力でする減量やダイエットは一般的に食事制限をしたりウェイトトレーニングをしたりしますが、部分的に痩せる事は不可能です。それに比べ、脂肪吸引はピンポイントで余分な脂肪を除去し、ボディラインを整えることができます。では、ダイエットと脂肪吸引では、それぞれどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
以下のように、表に簡単にまとめてみましたので、ご覧ください。
脂肪吸引 | ダイエット | ダイエット点滴 | |
---|---|---|---|
メリット | 脂肪細胞巣を減らすため、リバウンドの可能性が少ない。ダイエットでは難しい部分のピンポイント痩せが可能。 | 顔の頬や胸など、目につきやすい、浅い脂肪層に効果が見られやすい。 | 痩せやすい体質に改善することにより、脂肪燃焼を促進。肝機能・消化器機能改善の効果も期待できる。リバウンドの可能性が低い。 |
デメリット | 施術後に内出血や腫れが生じるため、スリムなボディになるまで約3週間かかる。 | 脂肪細胞をしぼませはするが、細胞の数を減らすわけではないので、時間経過とともに脂肪は膨張し、リバウンドの可能性がある。 | 薬剤や栄養成分を直接血管に注入するため、副作用で不健康になったり、栄養過多でかえって太ったりする場合もある。 |
3.脂肪吸引手術の種類と費用
脂肪吸引は大まかに分けて、メスを使用してカニューレという細い管で吸引する方法と、メスは使用せず、レーザーや超音波を利用する方法があります。では、脂肪吸引の種類とそれぞれの特徴及び費用について見てみましょう。
3-1.シリンジ脂肪吸引
機器を使用せずに、手作業で脂肪吸引を行う手法で、昔から医療現場で用いられてきた施術方法です。
3-1-1.シリンジ脂肪吸引手術の特徴
- 手で行うため、脂肪吸引の量を微妙に調整することが可能。
- 施術時の出血量が少ないので、ダウンタイムが短くて済む。
- 狭い部位には効果が顕著で、反対に太ももや腹部など、大量に脂肪吸引したい部位には向かない。
3-1-2.シリンジ脂肪吸引手術の費用の目安
費用は200,000円から800,000円まで。
一回に吸引する脂肪量が少ないため、回数が増えるほど費用はかさみます。
3-2.スマートリポレーザー
イタリアの医療機器メイカーが開発した機械を用いる、レーザー治療です。
3-2-1.スマートリポレーザーの特徴
- レーザーの熱が、真皮や表皮、筋層、血管などに影響を与えることがない。
- レーザーは脂肪細胞のみを破壊するため、ダウンタイム期間の症状が軽くなる。
- 数か月かけてゆっくりと脂肪を分解して体内から排出するため、身体への負担を軽減できる。
3-2-2.スマートリポレーザーの費用の目安
150,000円から500,000円まで。
3-3.ボディジェット脂肪吸引
カニューレからジェット水流を噴射し、水で脂肪を分離させながら吸引する方法です。
3-3-1.ボディジェット脂肪吸引の特徴
- 水を使用するため、周辺組織を損傷することがない。
- 回復するまでのダウンタイムが短くて済む。
3-3-2.ボディジェット脂肪吸引の費用の目安
- 約800,000円
3-4.ベイザー脂肪吸引
「ベイザー波」と呼ばれる特殊な超音波を利用して皮下脂肪を液状に溶解し、吸引します。
現在の医療現場では、主流となっている施術方法です。皮下脂肪の約90%を除去することが可能で、現在の脂肪吸引方法の中でも高い効果が報告されています。
3-4-1.ベイザー脂肪吸引の特徴
- 施術周辺の組織を傷つけることが少なく、ダウンタイムが短縮できる。
- 手術時間が短いので、治療後の皮膚のたるみが起こりにくい。
3-4-2.ベイザー脂肪吸引の費用の相場
ベイザーリポは、麻酔代は別途で、700,000円から900,000円まで。
ベイザーハイデフは、吸引する脂肪量や、目標とするボディラインにより費用は様々です。
1,000,000円から1,500,000円まで。
4.脂肪吸引の術後の注意点
脂肪吸引は脂肪除去により部分痩せをしてボディラインを整えることができます。通常のダイエットでは不可能とされてきた部分痩せを可能にしたという点で画期的な施術方法と言えます。しかし、医療行為である以上は留意するべき点もあります。ここでは、脂肪吸引の術後の注意点について解説します。
4-1.感染症
体にメスを入れますし、人間である医師が施す手術は、どんな手術であっても感染症の危険性は伴います。処置の際の火傷、カニューレ挿入の際の傷、脂肪組織の吸引に伴う内部組織の損傷などで感染症の懸念があります。
4-2.多量出血
メスで患部を切開した際に適切に止血が行われないなど、出血の量が多い手術の場合には多量出血が原因となるショック症状や貧血を併発する恐れがあります。
4-3.脂肪塞栓症(しぼうそくせんしょう)
脂肪を吸引するために柔らかくした脂肪組織が血管に入り込み、血栓症を引き起こすパターンです。脳で発症すると脳塞栓に、肺で起きると肺塞栓となります。
4-4.内臓損傷
腹部の脂肪吸引の際、カニューレの誤動作により、内臓を損傷してしまうケースです。
4-5.麻薬の使用に伴うアレルギー・ショック症状
体質に合わない麻酔薬が使用された場合や、全身麻酔のような強力な麻酔が使われた場合、個人差はありますがアレルギーやショック症状を引き起こすことがあります。
上記はいずれも、起こる確率は高くはありません。しかし医師も人である以上、100%完璧なオペレーションというものは存在しません。とは言え、患者が事前に回避できる類のトラブルではないので、結局は高い技術力を持った、信頼できる医師に託すしかありません。
5.安全な脂肪吸引ができる美容整形外科の選び方
最後に、安心して施術が受けられる美容外科を選ぶポイントについて、下記にまとめてみました。
- 患者の希望や事情に熱心に耳を傾け、最適な施術方法と術後のケアを提案してくれること。
- 施術前から術後まで、徹底してリスク管理体制が敷かれていること。
- 全身麻酔を使用しての手術を行う際は二人体制で行うなどのリスク管理体制があること。
- 料金体系が分かりやすくなっていること。
- 施術中、あるいは施術後のトラブルにも対処するべく、アフターフォロー体制がしっかり敷かれていること。
- 施術のデメリットについても言及し、アフターケアについてもきちんと説明がある
- 特定の脂肪吸引の種類を勧めるクリニックでないこと(特定のサービスのみ勧める場合利益可能性が懸念されます。)
- 優秀な医師をそろえている、または医院に複数の医師が在籍する場合、医師の技術にレベルの差がないこと。
6.まとめ
脂肪吸引の特徴、メリット、デメリット、他の施術との違いがお分かりいただけましたでしょうか。
冒頭でも述べたように、脂肪吸引は外科手術である以上、ある程度のリスクは伴います。施術時にオペレーションのミスにより人体の損傷を招いたり、施術後にもダウンタイムがあったりなど、肉体的な制約があります。
患部に痛みをおぼえたり、むくみを生じたりもします。
考え得るリスクは想定範囲内として胸に収め、信頼できる医師にカウンセリングを受ける事をおすすめします。
そして、ご自分に合った適切な施術を選んで、できるだけ安全に理想の体型を手に入れましょう。